ニューヨーク生活23
Tuesday, July 29th, 2008平日はアートスクールに行き、週末はストリートで絵を売って生活をしていた、僕のニューヨークでの生活スタイルは、たぶん一般の日本人があまり経験したことのないものかと思います。
笑い話しになりますが、以前たまたま国連の仕事でニューヨークへ出張に来ておられた日本人の女性が僕の作品をストリートで買ってくれたことがありました。
彼女は僕の絵の前に立ち止まり、絵を眺めてはしばらく考え、そして離れて、また戻って来ては考えるということを3回ぐらい繰り返してやっと自分で納得したらしく、2枚もの絵を買ってくださいました。
僕の絵の前を彼女が行ったり来たりしている間、僕は黙って彼女の様子を伺っていましたが、彼女が決断をして「これをください!」と言葉を発してから、お互い始めて言葉を交しました。
まだ、30代前半ぐらいに見える彼女でしたが、なんと今はアフガニスタンに住んで国際的な仕事をしていると言うのです。それを聞いた僕は「えっ!アフガニスタンからですかぁ。いやー、 本当に色々な日本人がいるものですねぇ。」などと言いいましたら、「あなたもじゃないですか!」と、彼女につかさず言い返されて苦笑した覚えがあります。
そう言われてみればそうなんです。彼女からしてみると、ニューヨークのストリートで日本人が絵を売っているなどと思ってもみなかったでしょう。
自分としては、あえて人と違う生き方をしようと思っている訳ではなく、これがしたいからやっているので、人と違うことをしている自覚がないのです。
自分から行動を起こし、外に出て沢山の人と出会うことによって、人は思いもよらない出来事に遭遇するものです。
そう考えますと、人の運命とは自分で切り開いていくことで、どんどん新しい道が開けてくるものだと思います。
もちろん失敗も沢山ありますが、失敗なくして良い成果だけを望むというのは、ちょっと都合がいいように思うのです。
僕はよく「後は野となれ、山となれ。」という言葉を思い出し、やるだけのことはやって結果は天に任せるのみ。
尻込みしそうな時にはいつもこの言葉を心の中でつぶやいて最初の一歩を踏み出します。
とは言うものの、僕は決してプラス思考の人間ではなく、逆に何かをしようとする前に、必ず失敗したらどうしようとか、恥をかいたらどうしようなど、最悪の事態を考えてしまうタイプですので、どちらかというとなかなか最初の一歩を踏み出すことができない人間なのです。
それでも、結局は先の事をあれこれ考えてもしかたがないということに、最終的に行き着きます。どう考えても未来は不確定なものですから。
僕の敬愛するトルストイの言葉のなかに、こんな言葉があります。
”最良の形で自分の生涯を送りたいと思ったなら、その全生活は現在にだけあることを深く銘記し、現在のあらゆる瞬間において、最良の形で行為をするように努力しなければならない。”











